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江戸前穴子とフォアグラの一皿の季節

去る4月25日に開催されました、第1回トレフ美食倶楽部晩餐会には沢山のお客様にお越し頂きましたことをスタッフ一同心より感謝いたします。詳しくはイベントのページでご報告させて頂いております。ご覧下さい。

今年もまた人気の一皿の季節がやってまいりました。

シェフのスペシャリティー、江戸前穴子とフォアグラの一皿の季節です。

穴子は一年中ありますが、美味しい季節は何と言ってもこの季節、江戸前の梅雨穴子が一番脂がのっていて美味しいのです。

このお料理は、穴子を一尾さばき、中にワイルドライスなどを詰めて蒸します。

その上にホタテのソテー、フォアグラのソテーを別々のフライパンで一度にソテーし盛りつけ、少し甘めのポルト酒のソースと軽いバターのソースで仕上げるもの。

長来に渡りシェフのスペシャリティーとして君臨している一皿です。

今回は、このお料理にもなくてはならない、トレフのキッチンに必要不可欠な道具を紹介いたします。

それはプラックです。 

プラックとは写真にある厚い鉄板を言います。ガスのコンロの上に常備のっているモノで、火を点けると全体が熱くなります。丁度、鉄板焼き屋さんの鉄板の様な状態になりますが、違うのは直に肉を焼いたりはせず、ここに鍋を置いて料理します。

シェフ曰く、フレンチレストランには必ずあるもの、だそうですが、実際のところ、キッチンのスペースや料理のスタイルによって違うようです。

料理のスタイルとは、まずソースのある料理を作るレストランには必要だし、あるととても便利です。 今回の穴子料理のように、一度に2つの小さなフライパンでソテーしたものを盛り付けたり、一皿に2種類のソースをかけたりする場合にとても役立ちます。     

プラックの下は普通のガスのコンロなので、プラックの中心が一番火が強く、外に行けば行くほど火力が弱くなります。

通常のガスコンロの火口にのらないような小さなフライパンで、強火で調理するような時はプラックの中心を使いますし、また弱火で殆んど温める状態に使用する場合は、プラックの外側を使います。

トレフにお客様がご来店頂き、営業も半ば頃にもなると、このプラックの上には各テーブル、またお客様ごとのソースの入った小さな銅鍋で一杯になります。

シェフは違ったテーブルの同じお料理でも、そのお客様がワインを飲まれているのか、何のワインの銘柄を飲まれているのか、また先に出させて頂く前菜の違いなども考慮し、塩味を強めたり、弱めたり、同じ料理でも、お客様に合わせソース鍋を全て分けています。

その為、営業後には洗い場は鍋で一杯になります。もちろん鍋はその日に全て洗われ、ピカピカに磨かれます。

昔から、よくフレンチの世界では見習は鍋磨きからといわれますが、重厚なソースが大切であった時代、その理由がよくわかります。

トレフでは厨房に新人スタッフが入り、慣れて来た頃、このプラックにまつわることで、共通するある事件が起きてしまいます。

プラックの上には、写真にあるように、営業時になると他にバプールと呼ばれる蒸し器が置かれます。

下に湯、上に具材を入れ、蒸していきます。この蒸し器は上に何段も重ねられますが、大きいものなので、中に、先の穴子や、別のお客様の付け合わせの野菜、または別の料理の魚など、次つぎにシェフの合図で入れられます。

この時、慣れてきたスタッフは、シェフの合図で出し入れをするようになります。

そして、そんな時事件は起きてしまうのです。

バプールは蒸し器で蓋を開ける度に蒸気が上がり、蓋の水滴が手前のソース鍋に入りそうになるので、その作業にまだ慣れないスタッフは、それを防ごうと、ソース鍋を移動させてしまうのです。

シェフが、さあメインにソースをかけようと思って振り向いた瞬間、鍋の位置が変わっていてはさすがのシェフも瞬時の判断に困ります。同じソースで、微妙に味を変えてきたのにどれがどのテーブルだかわからなくなってしまいます。

「鍋は動かしたら戻しておけ!!!」とシェフの叫びが入ります。もちろんすぐに味を見てコレと決まりますが、メインの盛り付けからソースを仕上げるまでには一定のリズムがあるのです。また一番緊迫した時であり、シェフの気合が料理に吹き込まれる瞬間です。

そうです。シェフはプラックの上の全ての鍋の位置でお客様のソースを区別しているのです。

今年もそろそろ新人スタッフに 「プラックの上のソースの鍋は絶対動かしてはダメよ。」 と言わなければならない頃となりました。

皆様のお越しをお待ち致しております。

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